国際線のパイロットという詐欺師もいた。パイロットなんて素敵すぎて、どう考えてもありえないと思ってはいたものの、この詐欺師はあまりに口が(チャットが)上手くて、つい嘘でもいいからだまされていたいという気になってしまった。
彼はマレーシア航空のパイロットだという。例によって奥さんは死別、娘さんはナニーに預けているという典型的なパターン。あ~やっぱりお前もかと思いつつ、しかし饒舌さについついノッてしまった。
そういえば、30代を名乗る詐欺師が圧倒的に多い気がする。もう少し年が近いほうが騙しやすいのではないかと思うのだが、50代女性は30代男性に騙されやすいというデータでもあるのだろうか。いやいや年離れすぎでしょうっていうと、みんな口をそろえて、「年齢なんてただの数字だ」「フランス大統領をみてみろ!」と言う。フランス大統領と比べられてもね(笑)
このパイロットは、パイロットの仕事は家族と一緒に過ごす時間が少ないので、辞めるから一緒に起業しようという。ロスで次のフライトまで時間があるので、君に靴を買いに行くから靴のサイズを教えてほしいと言ってきた。しばらくしたら今度は送付先を教えてほしいとも。
さすがに私の中で理性が欲望に勝ち(少し譲歩して)郵便局留めの住所を教えることにした。しかしこの後、次々とぼろが見え始める。
まず、段ボール箱の上に、伝票とみせかけたかったらしい画像を貼り付けた写真が送られてきた。明らかな合成写真、しかも名前と電話番号だけ。そんなものでロスから日本に荷物がたどり着くわけないよね??
そして送られてきた彼の写真をよ~くみると、なんと!ベトナム航空www
ここまでくると、さすがに信じようという気は失せてしまう。そしてついに送った荷物の中にお金を入れたといってきた…ここで詐欺決定。いや、でももしかして本当にお金を入れたのかも?と一瞬ぐらついたところに、最後のトドメのメールがきた。
あなたの夫から荷物を日本に送るよう預かったが、マレーシアの税関で止められてしまった。通貨するには30万必要なのですぐに送金してほしい…。
どこがどうなってあの伝票一枚でロスからマレーシア経由で荷物が届くんだよ(怒)しかもメールのIPアドレスはアフリカ!頭はよさそうだから、まっとうな仕事もできるだろうにと…いろいろ残念だ。いやいや、あんな伝票で騙されると思っているのだから頭悪いな、それとも知らないだけなのかな…
饒舌な詐欺師はよほど自信があるのか、ばれてもしつこい。「愛している、自分は本物だ」と、かたくなに言い張りメールしてくる。
「ごめん、お金は送れない。実はこの人に送っちゃって、お金全部なくなっちゃったの」と、他の詐欺師から送られてきた偽造写真を送ってみた。
「この写真はフェイクだぞ!よく見ろ!」だって!!(笑)お前もだろーが!!!
そのあとも「どうして信用しないんだ。愛していないのか」となかなかあきらめない。どう考えてももう無理でしょう。もしかしたら だましたことを肯定されている状態でメールを終わらせてはいけないという社内ルールでもあるのかもしれない。