幸せは人それぞれ

子育ても終え、後は人生を謳歌するのみ!最大限にセカンドステージを楽しもうと日々模索しています。

家庭内別居から離婚に踏み切れない理由

 家庭内別居状態を続けて10年が経つ。

 ちなみに「家庭内別居」の定義は「夫婦としての関係は破たんしているのに、何らかの理由で離婚せず、また別居>をすることもなく同居を続けている夫婦」のことを言うらしい。我が家も寝室は別(夫はリビングのソファで寝ている)。休日の夜の食事だけ一緒。しかし全く会話はない。さすがにもう離婚してもよいだろうと思うが踏み切れない。

 家庭内別居を表面化させたのはワンコだった。

 リーマンショックで夫の給料が激減するが、すでに上の子は私立高校に通い下の子はまだ低学年、収入を減らすわけにはいかない。私は月10日契約で働いていた派遣をすぐさまフルタイムに切り替えた。

 私が長時間家を空け子どもたちだけで過ごす時間が多いことが気がかりになり、少しでも気を紛らわせられるようにと、ワンコを譲り受けた。5歳で捨てられ、保健所から間一髪で救われた彼は我が家にきてわずか数日で、家族関係の全てを理解した。そう、家の中一切を取り仕切る私に篤い忠誠心をみせ、私が嫌悪感を示す夫への攻撃を全力で開始したのである。表面上は澄んだ水を、静かに水底に沈ませていた泥を、彼は蹴散らし、あっという間に濁らせた。

毎日、一触即発の状態が続いた。子どもたちは父親の存在を疎ましく思い、無視している。さらに犬にまで嫌われたことに、テレビ以外興味のない夫もさすがに気づいたようだが、そこで信頼関係を回復しようという発想はなかったらしい。夫は家のストレスも会社のストレスも、息子やワンコにあたることで解消し始めた。「殺す」と父に凄まれた息子は、武器(彼なりの)を抱いて寝た。子どもたちは一丸となって父親を嫌う。ワンコは夫が帰宅すると狂ったように吠える。そんな子供たちやワンコに対して、さらに夫は暴力をふるう。私はキレ、離婚をせまったが見栄っ張りで、そして一人で生きられない夫は離婚を受け入れられない。

 そもそも夫の性格に起因する問題なので、解決の糸口はみえない。私はストレスで筋腫ができた。早く夫を私の人生から切り捨てたい。しかし、今が一番お金がかかる時期。この時期に離婚したらどうなるのか。アパートに引っ越し、私はますます勤務時間が長くなり、子どもたちは3人で過ごす時間が増える。私の夫に対するストレスは軽減されるが、疲れてきっと子どもたちに寄り添うことができなくなるだろう。うざい父親はいなくなったとしても、幸せな状態にしてあげられる自信がない。

お金で幸せは買えない。しかしお金があることで平穏を買うこともできる。子供たちが自立するまではがんばろうと相手を完全に無視し、いないものとしてふるまうことで衝突を避けることにした。 必要最低限の会話以外一切の接触は断ち、表向きは平穏な毎日が戻った。

  そしてようやく子供たちの自立も見えてきた今、なのに先に進めない。

 今度の理由もワンコ。15歳になり粗相も多い。目も耳も鼻も弱ったワンコを新しい環境に移すのは無理。子どもたちが道をはずさないように家でがんばっていてくれた彼だけは穏やかに天寿を全うさせたい。 

 身軽になるにはもう少し時間が必要だ。