幸せは人それぞれ

子育ても終え、後は人生を謳歌するのみ!最大限にセカンドステージを楽しもうと日々模索しています。

歌う詐欺師

 エディンバラ出身でおばあちゃんが中国人というシンガポール在住の航空機器セールスマンは、君のために歌を歌うから聴いてくれと電話口で歌を歌ってくれた。それがまたひどい。こんなひどい歌を平気で聴かせるなんて詐欺師に違いないと、なんの根拠もない確信をもった。

設定は細かい分、アラが目立つ詐欺師だった。自分は中国人とスコットランド人の10%クウォーターだという。…クウォーターって25%じゃないの?

英語は癖がなく、ネイティブと言われたら信じてしまいそうだけど、演技がくさい。奥さんいるの?ってきくと、さもつらいことのように(本当ならつらいことに違いないが)重々しく、亡くなったと言う。そのつらさを演出するための間が開きすぎ!回線トラブルで切ろうかと思った。また、長時間連絡がとれなかったけど何かあったのかと、突然電話をかけてくる。それがさも心配して慌てたふりをよそおっているが、わざとらしい。さらに私の仕事時間が長いことを気遣い、君の体によくないと真剣に怒っているふりもする。どれもこれも嘘のにおいがプンプンする。嘘のてんこ盛り状態だった。しかしこれだけ詐欺だと断定できる状態なのに、もしかしたらまともな人なのかも…と信じたくなる気持ちが、時折顔を出してくる。そのたびに下手な歌声を聴いて、冷静さを呼び戻していた。

 

ある時、電話の後ろにコールセンターのような複数の人が電話で話している声が入ってきた。雑音を切るのを忘れていたらしい。「声がするけど、コールセンターにいるの?」って聞いたら、慌ててかけなおしてきた。窓の外で交通事故があっただの、友達が来ているだのと、筋の通らない言い訳をする。こういった突発的な対応が詐欺師は下手だ。恐らく普段の生活とあまりにかけ離れた設定にしているから、自然な言い訳を思いつかないのではないかと推測。

送られてきた写真を別人のものだよねと問いただしても、自分だと言い張る。しかも今度日本に私に会いに来るという。なんとかして騙そうとしているんだよね。ついては来日の前にビデオで話そうと言ってきた。どんな映像を送ってくるのかと楽しみにしていたが、なかなか始まらない。帰宅途中だからもう少し待てだの、急用ができたからもう少し待てだの、やたら時間がかかる。あげくのはてにWhatsAppはよくわからないから、Skypeでやろうといい、しかしそれもつながらず、結局Facebookを指定してきた。前にも書いたが、ビデオチャットで他の動画を映しながら、音声を同期させるのには、高度な技術が必要ならしく簡単にはできないようだ。少なくとも成功した詐欺師には、未だ出会っていない。なかなかうまくいかず彼は明らかにイライラし始めた。そしてようやく映しだされたのは、なんと金髪青い目、パンツ一丁でソファに寝そべったおっさん!写真の彼とは似ても似つかない。そんな動画しか見つからなかったのか!しかも音声は全く合わせられず、思わず吹き出してしまった。むしろビデオチャットなんてしないほうが騙せたのに…と、あまりのひどさにむしろ同情の念を覚えたくらいだ。

「ばかじゃないの?」とメッセージを送ったら、「もういい」と逆切れの返信がきた。当たり前か(笑)しかしきっと彼は自分のできなさぶりに自己嫌悪に陥っていたんだろうな…笑える。

ちなみに彼の使ったこの写真の紳士は、カザフスタンの起業家を支援する人でツイッターもありyoutubeもありの有名人だ。カザフスタン以外では、ばれないとふんでいたのか、たくさんの写真をサイトの自己紹介でも平然と使っている。本当にこの人だったら良かったのに!

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