幸せは人それぞれ

ハプニングは多い方がおもしろい

国連から派遣されたソマリアの外科医という詐欺師

次に話しかけてきた詐欺師はアメリカ軍兵士ではなく、国連からソマリアに派遣されている外科医という設定だった。写真はメキシコのおっさん風情でとても外科医には見えない。彼は現地時間の真夜中にメールを送ってくる。不思議に思ってきいてみたが、みんな起きているからというわかったようなわからないような返事が返ってきた。いずれにせよ、メディアでみる国連医師のように忙しくはないらしい。毎日暇を持て余しているのかと思うほど、朝に夕にきれいな花の写真とともに情熱的な詩を送ってきた。必死で英語を理解しようとする私。使う単語に偏りはあるが、一連の詐欺師との会話のおかげで英文メールを早く読む技術は確実に身についた。せめて有意義な勉強法であったと思いたい。

 

彼の家族構成は息子一人、奥さんとはまたもや死別。アメリカ女性の死亡率はかなり高い。彼は日本に来て投資がしたいので、その手助けをしてほしいと言ってきた。嘘だろう~と思いながらも、もしかして本当かもしれないと、心の片隅で信じたくなってしまう。危ない、危ない・・・でも本当に日本にきて投資なんかに巻き込まれたら、そっちの方がめんどくさい。しかもどう考えても一面識もない人と、まちがって恋に落ちることはできても、共同ビジネスなんて絶対にありえない。律儀な日本人らしく、一生懸命理由を考えて丁寧にお断りした。

 

彼はこの後、別のサイトでもまた同じように声をかけてきた。その時も同じように国連の医師といい、しかし翌日その設定を失念したらしく、今度はエンジニアだとぬかした。あれ?国連の医師じゃないのって突っ込んだら、休暇でソマリアに遊びに来てるんだ、国連の会議に来てるんだとむりやり感半端ないつじつま合わせをしていた…笑える。

しかし、ずっと続けているということは、それなりに収入になるということなんだろうな。しかも被害届も出されていないのかもしれないと思うと、なんだか腹が立つ。ここは正義感をだしてサイトに報告してみようか、いやでも、アカウントが削除されるだけで、証拠がなければどうにもならないし…考えると悶々としてくる。

写真の彼(本物)は南米の詩人らしい。そしてこの写真もロマンス詐欺師に広く使われているとか。イケメンではないけれど、いい人そうだし、だまされても無理がないか…いやいや、だまされてはいけない!